「お会いできるのを楽しみにしています」の敬語の使い方や意味を解説!

「お会いできるのを楽しみにしています」という表現、あなたも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。ビジネスメールの締めくくりや、初対面の相手との約束が決まったときによく使われるこのフレーズ。

でも実は、この表現にはちゃんとした敬語のルールがあります。相手との関係性や使う場面によって、少し言い回しを変えた方がいい場合もあるんです。

今回は「お会いできるのを楽しみにしています」の正しい意味や使い方、そして相手に好印象を与えるコツまで詳しくお話しします。敬語に自信がない方も、この記事を読めばきっと安心して使えるようになりますよ。

「お会いできるのを楽しみにしています」の基本的な意味

「お会いできるのを楽しみにしています」は、相手に会うことを心待ちにしている気持ちを丁寧に表現したフレーズです。単なる挨拶を超えて、相手への好意や期待感を込めて使われます。

言葉の成り立ちと敬語の種類

この表現を詳しく分解してみましょう。「お会いできるのを」の部分は、「会う」という動詞を謙譲語の「お会いする」に変えた形です。

「楽しみにしています」の部分は、「いる」の謙譲語「おる」に丁寧語の「ます」が付いた形になっています。つまり、この表現全体が謙譲語と丁寧語を組み合わせた、とても丁寧な敬語表現なんです。

相手に伝わる気持ちとニュアンス

このフレーズには、ただ「会う」という事実以上の意味が込められています。相手に対する敬意はもちろん、その人と過ごす時間を価値あるものとして捉えているという気持ちが表れています。

ビジネスシーンでは、相手との関係構築や信頼感を高めるための一助となる表現でもあります。相手も「この人は私との時間を大切に思ってくれている」と感じ、好印象を持ってくれるでしょう。

「お会いできるのを楽しみにしています」が正しい敬語である理由

多くの人が「この表現は本当に正しい敬語なの?」と疑問に思うかもしれません。でも安心してください。この表現は文法的にも、マナー的にも正しい敬語です。

謙譲語として適切な表現

謙譲語は、自分の行動をへりくだることで相手を高める敬語です。「お会いできるのを楽しみにしています」では、自分が「楽しみにしている」という気持ちを謙譲語で表現しています。

これにより、相手を立てながら自分の気持ちを伝えることができるのです。決して相手を下に見るような表現ではありません。

目上の人に使える丁寧さのレベル

この表現は、上司や取引先の人など、目上の立場の人に対して使っても全く問題ありません。むしろ、適度な丁寧さを保ちながら親しみやすさも感じられる、バランスの取れた表現と言えるでしょう。

かしこまりすぎず、でも失礼にならない。そんな絶妙なラインを保った敬語表現なんです。

「お会いできるのを楽しみにしています」を使う場面5選

この表現が活躍する場面は意外とたくさんあります。具体的にどんなときに使えばいいのか、5つの代表的な場面を見てみましょう。

1. 初対面の相手との約束が決まったとき

メールでやり取りをしていた相手と初めて会う約束ができたとき、この表現がぴったりです。「来週、田中様にお会いできるのを楽しみにしています」のように使えば、相手への期待感を自然に伝えられます。

初対面の緊張感を和らげる効果もあるので、お互いにとって良いスタートが切れるでしょう。

2. 久しぶりに会う予定ができたとき

しばらく会っていなかった相手と再会の約束ができたときも、この表現が使えます。「久しぶりにお会いできるのを楽しみにしています」と伝えれば、相手への思いやりが伝わります。

時間が経っても関係を大切に思っているという気持ちを表現できるのです。

3. ビジネスミーティングの日程確定後

会議や打ち合わせの日程が決まったとき、メールの最後にこの表現を加えると良いでしょう。「来週の企画会議でお会いできるのを楽しみにしています」のように使えば、前向きな姿勢を示せます。

4. 面接や商談の前

就職面接や営業の商談前にも、この表現は効果的です。「面接の機会をいただき、お会いできるのを楽しみにしています」と伝えれば、積極的な印象を与えられます。

5. イベントや懇親会への参加時

セミナーやパーティーなどのイベントに参加するときも使えます。「懇親会でお会いできるのを楽しみにしています」と事前に伝えておけば、当日の会話もスムーズに始められるでしょう。

話し言葉と書き言葉での使い分け

同じ表現でも、話すときと書くときでは少し使い方が変わります。この違いを知っておくと、より適切に使い分けられるようになります。

メールでは「お会いできることを楽しみにしております」

メールや手紙などの書き言葉では、「お会いできることを楽しみにしております」という表現の方が適しています。「のを」よりも「ことを」の方が、より正式で丁寧な印象を与えるからです。

特にビジネスメールでは、この表現を使った方が相手に良い印象を与えられるでしょう。

電話や対面では「お会いできるのを楽しみにしています」

一方、電話での会話や直接話すときは、「お会いできるのを楽しみにしています」で十分です。話し言葉では、少し柔らかい表現の方が自然に聞こえます。

「のを」と「ことを」の違いとは?

「のを」は口語的な表現で、親しみやすさを感じさせます。「ことを」はより書き言葉的で、正式な印象を与えます。

相手との関係性や使う場面に応じて、この2つを使い分けることが大切です。

相手別の使い方とマナー

相手によって敬語の使い方を調整することも、大人のマナーとして重要です。関係性に応じた適切な表現を覚えておきましょう。

上司や取引先への使い方

上司や取引先など、明らかに目上の相手には「お会いできることを楽しみにしております」という、より丁寧な表現を使いましょう。特に重要な商談や会議の前には、この表現が適しています。

同僚や部下への使い方

同僚や部下に対しては、「お会いできるのを楽しみにしています」で十分です。あまり堅すぎると、かえって距離感を感じさせてしまうかもしれません。

お客様への使い方

お客様に対しては、最も丁寧な表現を心がけましょう。「お目にかかれることを楽しみにしております」のような、より敬意を込めた表現も考えられます。

関係性によって変わる敬語レベル

敬語は相手との関係性によって調整するものです。常に最高レベルの敬語を使えばいいというわけではありません。相手との距離感を考えながら、適切なレベルを選ぶことが大切です。

「お会いできるのを楽しみにしています」の言い換え表現7選

同じ表現ばかり使っていると、相手に「いつも同じことを言っている」と思われてしまうかもしれません。バリエーションを持っておくと便利です。

1. 「お目にかかるのを楽しみにしております」

「お目にかかる」は「会う」のより丁寧な謙譲語です。特に格式の高い場面や、普段あまり交流のない目上の人に対して使うと良いでしょう。

2. 「お会いできるのを心待ちにしております」

「心待ち」という表現を使うことで、より心を込めた気持ちを表現できます。相手への思いが強い場合に使うと効果的です。

3. 「お逢いできることを楽しみにしております」

「逢う」という漢字を使うことで、より特別な出会いという印象を与えられます。重要な商談や面接などで使うと良いでしょう。

4. 「ご対面を楽しみにしております」

「対面」という言葉を使うことで、フォーマルな印象を与えられます。会議や正式な面談の前に使うと適切です。

5. 「お会いできる日を楽しみにしております」

「日」を加えることで、その日全体を楽しみにしているという気持ちを表現できます。一日がかりのイベントや研修などで使うと良いでしょう。

6. 「お目通りできることを楽しみにしております」

「お目通り」は非常に丁寧な表現です。社長や役員など、非常に地位の高い人に対して使うと適切でしょう。

7. 「再会を楽しみにしております」

以前に会ったことがある相手に対しては、「再会」という言葉を使うと自然です。久しぶりに会う相手への親しみを表現できます。

実際に会った後の表現

会った後にも、この表現を応用して使うことができます。次回への期待を込めて使ってみましょう。

「またお会いできるのを楽しみにしています」の使い方

実際に会った後は、文頭に「また」を付けて「またお会いできるのを楽しみにしています」と表現します。これにより、今回の出会いが有意義だったことと、次回への期待を同時に表現できます。

お礼メールでの活用方法

会った後のお礼メールでも、この表現は活躍します。「本日はお忙しい中お時間をいただき、ありがとうございました。またお会いできるのを楽しみにしています」のように使えば、感謝の気持ちと今後への期待を伝えられます。

別れ際の挨拶として使うコツ

直接会って別れるときにも、この表現を使うことができます。ただし、あまり堅すぎると不自然になるので、相手との関係性を考えて使いましょう。

「お会いできるのを楽しみにしています」への返答方法

相手からこの表現を使われたとき、どう返答すればいいか迷うことがありますよね。適切な返し方を覚えておきましょう。

相手から言われたときの適切な返し方

相手から「お会いできるのを楽しみにしています」と言われたら、「こちらこそ、楽しみにしております」や「私も楽しみにしております」と返すのが自然です。

相手の気持ちに応えつつ、自分の気持ちも伝えることができます。

ビジネスシーンでの返答例

ビジネスシーンでは、「こちらこそ、お会いできることを楽しみにしております」のように、より丁寧な表現で返すと良いでしょう。

日常会話での自然な返し方

日常的な場面では、「私も楽しみです」や「こちらこそ、よろしくお願いします」のような、少しカジュアルな返し方でも問題ありません。

使うときに気をつけたい注意点4つ

この表現を使うときには、いくつか注意しておきたいポイントがあります。正しく使って、相手に良い印象を与えましょう。

1. 多用しすぎると軽く聞こえる

同じ相手に何度も使っていると、「誰にでも言っているのかも」と思われてしまう可能性があります。定型文だと思われないよう、使用頻度には注意しましょう。

2. 相手との関係性を考慮する

あまりにも親しい相手に対して使うと、かえって距離感を感じさせてしまうかもしれません。相手との関係性に応じて、適切な表現を選ぶことが大切です。

3. タイミングを間違えない

会う予定が確定していない段階で使うと、相手にプレッシャーを与えてしまう可能性があります。適切なタイミングで使うようにしましょう。

社交辞令と思われないための工夫

ただの社交辞令と思われないためには、具体的な内容を加えることが効果的です。「プロジェクトの件でお会いできるのを楽しみにしています」のように、何について話すのかを明確にすると良いでしょう。

ビジネスメールでの実践例文集

実際のビジネスメールでどのように使えばいいか、具体的な例文を見てみましょう。

初回面談のお約束メール

「来週火曜日の午後2時からの面談の件、承知いたしました。新プロジェクトについて詳しくお話しできるのを楽しみにしております。当日はどうぞよろしくお願いいたします。」

会議後のお礼メール

「本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。有意義な議論ができ、大変勉強になりました。次回の会議でまたお会いできるのを楽しみにしております。」

久しぶりの連絡メール

「ご無沙汰しております。来月の展示会でお会いできる機会があると伺いました。久しぶりにお話しできるのを楽しみにしております。」

件名の書き方のポイント

メールの件名には、「面談のお礼」「会議の件について」など、内容が分かりやすいものを付けましょう。件名だけで用件が伝わるようにすることが大切です。

よくある間違いと正しい使い方

この表現を使うときに、よくある間違いを避けることも重要です。正しい使い方を確認しておきましょう。

「楽しみにしてます」は敬語として不十分

「楽しみにしてます」だけでは、敬語として不十分です。「楽しみにしております」または「楽しみにしています」と、きちんと敬語の形にしましょう。

「会えるのを楽しみにしています」との違い

「会える」という表現は、相手に対する敬意が不足しています。「お会いできる」という謙譲語を使うことで、相手への敬意を示すことができます。

敬語レベルの調整方法

相手との関係性に応じて、敬語のレベルを調整することが大切です。親しい相手には「お会いできるのを楽しみにしています」、格式の高い場面では「お目にかかれることを楽しみにしております」のように使い分けましょう。

英語での表現方法

国際的なビジネスシーンでは、英語での表現も知っておくと便利です。

「I look forward to meeting you」との使い分け

英語では「I look forward to meeting you」が一般的な表現です。より丁寧にしたい場合は「I am looking forward to meeting you」と現在進行形を使うこともできます。

ビジネス英語での丁寧な表現

ビジネスメールでは「I look forward to the opportunity to meet with you」のように、より正式な表現を使うと良いでしょう。

まとめ:「お会いできるのを楽しみにしています」で良好な関係を築こう

今回の記事では、「お会いできるのを楽しみにしています」という表現について詳しく解説しました。以下に要点をまとめます。

  • この表現は謙譲語と丁寧語を組み合わせた正しい敬語表現
  • 相手への敬意と期待感を同時に伝えることができる
  • 書き言葉では「ことを」、話し言葉では「のを」を使い分ける
  • 相手との関係性に応じて敬語レベルを調整することが大切
  • 多用しすぎると軽く聞こえるので注意が必要
  • 言い換え表現を覚えておくとバリエーションが広がる
  • 実際に会った後は「また」を付けて使う

この表現を適切に使うことで、相手との良好な関係を築くことができます。ビジネスシーンでも日常生活でも、相手への思いやりを表現する大切なフレーズとして活用してくださいね。

敬語は難しく感じるかもしれませんが、相手を思いやる気持ちがあれば自然と身についてきます。この記事を参考に、ぜひ実践してみてください。