「欠席させていただきます」という言葉を使う場面って、意外と多いですよね。会議やイベント、研修など、どうしても参加できない時に使う大切な表現です。でも、いざ使おうとすると「これで合ってるかな?」と不安になることもあるのではないでしょうか。
この記事では、「欠席させていただきます」の正しい使い方から具体的な例文まで、実際の場面で役立つ情報をまとめました。メールでの書き方のコツや、相手に失礼にならない伝え方も詳しく解説しています。
きちんとした言葉遣いで欠席を伝えることで、相手との関係性を保ちながら、自分の事情も理解してもらえるはずです。
「欠席させていただきます」の基本的な意味と使う場面
「欠席させていただきます」は、本来出席すべき場に参加できないことを丁寧に伝える敬語表現です。「欠席」と「させていただきます」が組み合わさった言葉で、相手に対する敬意と申し訳ない気持ちを込めて使います。
「欠席させていただきます」が持つ敬語の意味
この表現は謙譲語と丁寧語が組み合わさった正しい敬語です。「させて」は「してもらう」の謙譲語で、「いただきます」は「いただく」の丁寧語にあたります。
つまり「相手の許可を得て欠席させてもらう」という意味になります。自分の行動を控えめに表現しながら、相手への配慮を示す言葉なのです。
どんな時に使うべき表現なのか
この表現は、正式な場面や目上の人に対して使うのが適切です。カジュアルな友人同士の集まりよりも、ビジネスシーンや公式な行事で威力を発揮します。
特に、相手に迷惑をかける可能性がある場面では必須の表現といえるでしょう。丁寧さを重視する日本のビジネス文化では、このような配慮ある言葉遣いが信頼関係を築く基盤となります。
ビジネスシーンでよく使われる5つの場面
ビジネスでは以下のような場面で頻繁に使われます。
- 社内会議への不参加
- 取引先との打ち合わせの欠席
- 研修やセミナーへの不参加
- 会社の懇親会や歓送迎会の欠席
- 冠婚葬祭による業務の休み
どの場面でも、事前の連絡と適切な理由の説明が重要になります。
「欠席させていただきます」をメールで伝える時の書き方
メールで欠席を伝える際は、相手への配慮を最優先に考えた構成にすることが大切です。件名から本文まで、読み手の立場に立った書き方を心がけましょう。
件名の付け方で相手への配慮を示す
件名は一目で内容がわかるように書きます。「【欠席のご連絡】○月○日の会議について」や「○月○日打ち合わせの件(欠席のお詫び)」など、具体的な日付と用件を明記しましょう。
相手が多忙な中でも、すぐに内容を把握できる件名にすることで、スムーズなコミュニケーションが可能になります。
メール本文の基本構成
メール本文は以下の順序で構成するとよいでしょう。まず宛名と挨拶、次に欠席の旨と理由、そしてお詫びの言葉、最後に今後の対応や締めの挨拶です。
この流れを守ることで、相手に失礼のない丁寧なメールが作成できます。簡潔でありながら、必要な情報をもれなく伝えることがポイントです。
理由の伝え方で印象が変わる
欠席の理由は具体的すぎず、曖昧すぎない程度に伝えます。「体調不良のため」「急な出張が入り」「家庭の事情により」など、相手が納得できる範囲で説明しましょう。
プライベートな詳細まで説明する必要はありませんが、相手が理解できる程度の情報は提供することが大切です。
お詫びの気持ちを込めた文章のコツ
お詫びの言葉は形式的にならないよう、心を込めて書きます。「申し訳ございません」だけでなく、「ご迷惑をおかけして」「せっかくのお誘いにもかかわらず」など、具体的な状況に応じた表現を使いましょう。
また、次回への参加意欲を示すことで、関係性の継続を表現できます。
【場面別】「欠席させていただきます」の例文10選
実際の場面に応じた例文を紹介します。それぞれの状況に合わせて、適切な表現を選んでください。
1. 社内会議を欠席する時の例文
急な用事で欠席する場合
「○○部長
お疲れ様です。営業部の田中です。
明日の定例会議ですが、急な顧客対応が入り、どうしても出席することができません。誠に申し訳ございませんが、欠席させていただきます。
議事録を後日共有していただけますと幸いです。何かご質問がございましたら、いつでもご連絡ください。
よろしくお願いいたします。」
体調不良で欠席する場合
「○○課長
お疲れ様です。
申し訳ございませんが、体調不良により本日の会議を欠席させていただきます。明日には回復予定ですので、必要な資料等は後日確認させていただきます。
ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」
2. 社外の会議・打ち合わせを欠席する時の例文
出張と重なった場合
「株式会社○○ ○○様
いつもお世話になっております。
○月○日の打ち合わせの件でご連絡いたします。急な出張が入り、どうしても都合がつかなくなりました。せっかくお時間を調整していただいたにもかかわらず、欠席させていただきます。
改めて日程を調整させていただきたく、後日ご連絡いたします。この度はご迷惑をおかけして申し訳ございません。」
他の重要な予定がある場合
「○○会社 ○○部長
お世話になっております。
○月○日の会議についてですが、社内の緊急案件が発生し、参加が困難になりました。重要な会議であることは承知しておりますが、欠席させていただきます。
会議の内容について、後日詳細を教えていただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。」
3. 研修・セミナーを欠席する時の例文
業務都合で参加できない場合
「研修担当者様
お疲れ様です。
○月○日の研修についてですが、顧客からの緊急対応要請があり、参加が困難になりました。申し訳ございませんが、欠席させていただきます。
研修資料を後日共有していただけますと助かります。次回の機会にはぜひ参加させていただきたく思います。」
個人的な事情で参加できない場合
「人事部 ○○様
いつもお世話になっております。
○月○日のセミナーですが、家庭の事情により参加できなくなりました。せっかくの機会にもかかわらず、欠席させていただきます。
今後も同様の機会がございましたら、ぜひお声がけください。よろしくお願いいたします。」
4. 冠婚葬祭・パーティーを欠席する時の例文
結婚式を欠席する場合
「○○様
この度はご結婚おめでとうございます。
○月○日の結婚式についてですが、どうしても外せない出張が入ってしまい、参加が困難になりました。お二人の大切な日にもかかわらず、欠席させていただきます。
心よりお祝い申し上げます。後日、改めてお祝いの機会を設けさせていただければと思います。」
歓送迎会を欠席する場合
「皆様
お疲れ様です。
○月○日の歓送迎会についてですが、家族の用事と重なってしまい、参加が困難になりました。楽しみにしていたのですが、欠席させていただきます。
○○さんの新天地でのご活躍をお祈りしております。」
5. 学校行事・PTA活動を欠席する時の例文
保護者会を欠席する場合
「○○先生
いつもお世話になっております。○年○組○○の保護者です。
○月○日の保護者会についてですが、仕事の都合により参加できません。申し訳ございませんが、欠席させていただきます。
当日の資料を後日いただけますでしょうか。子どもの学校生活について何かございましたら、いつでもご連絡ください。」
学校イベントを欠席する場合
「○○小学校 ○○先生
お世話になっております。
○月○日の運動会についてですが、仕事の都合で参加が困難になりました。子どもも楽しみにしていたのですが、欠席させていただきます。
当日の様子を写真等で教えていただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。」
「欠席させていただきます」を使う時に気をつけたい5つのポイント
欠席の連絡をする際は、タイミングや伝え方に注意が必要です。以下のポイントを押さえることで、相手との関係性を保ちながら適切に欠席を伝えることができます。
連絡するタイミングはいつがベスト?
欠席が決まったら、できるだけ早く連絡することが大切です。理想的には1週間前、遅くとも3日前には伝えるようにしましょう。
急な事情の場合は仕方ありませんが、前日や当日の連絡は相手に大きな迷惑をかけてしまいます。早めの連絡は、相手への配慮を示す重要な要素です。
理由は具体的に伝えるべき?
理由は相手が納得できる程度に具体的に伝えます。ただし、プライベートな詳細まで説明する必要はありません。
「体調不良のため」「急な出張が入り」「家庭の事情により」など、相手が理解しやすい表現を選びましょう。曖昧すぎると不信感を与える可能性があります。
代替案や今後の対応も一緒に伝える
単に欠席を伝えるだけでなく、今後の対応についても触れることが大切です。「後日資料を確認します」「改めて日程調整をお願いします」など、フォローアップの意思を示しましょう。
この一言があることで、相手への配慮と責任感を表現できます。
相手への感謝の気持ちを忘れずに
欠席の連絡でも、相手への感謝の気持ちを忘れずに伝えます。「お忙しい中お時間をいただいたにもかかわらず」「せっかくのお誘いをいただいたのに」など、相手の配慮に対する感謝を表現しましょう。
この心遣いが、今後の関係性を良好に保つ鍵となります。
フォローアップの連絡も大切
欠席後は、必要に応じてフォローアップの連絡をします。会議の内容を確認したり、次回の参加意欲を示したりすることで、関係性の継続を図りましょう。
このような配慮が、信頼関係の維持につながります。
「欠席させていただきます」の言い換え表現7選
同じ表現ばかり使うと単調になってしまいます。状況に応じて、以下のような言い換え表現を使い分けてみてください。
より丁寧に伝えたい時の表現
特に重要な場面では、より丁寧な表現を使います。「欠席させていただきたく存じます」「出席を辞退させていただきます」「参加を見送らせていただきます」などがあります。
これらの表現は、相手への敬意をより強く示すことができます。
カジュアルな場面で使える表現
社内の親しい同僚や、比較的カジュアルな場面では「参加できません」「出席することができません」「都合がつきません」などの表現も使えます。
ただし、相手との関係性を考慮して使い分けることが重要です。
理由を明確にしたい時の表現
理由を強調したい場合は「○○のため欠席いたします」「○○により参加できません」「○○の事情で出席を控えさせていただきます」などの表現が効果的です。
理由を先に述べることで、相手の理解を得やすくなります。
こんな時はどう書く?よくある欠席理由別の文例
実際によくある欠席理由について、具体的な文例を紹介します。自分の状況に合わせて参考にしてください。
体調不良で欠席する時
「申し訳ございませんが、体調不良により本日の会議を欠席させていただきます。明日には回復予定ですので、議事録を後日確認させていただきます。ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」
体調不良の場合は、回復の見込みも伝えると相手も安心します。
家族の都合で欠席する時
「家庭の事情により、○月○日の研修を欠席させていただきます。せっかくの機会にもかかわらず申し訳ございません。資料を後日共有していただけますと幸いです。」
家族の事情は詳細を説明する必要はありませんが、やむを得ない理由であることを伝えましょう。
仕事の都合で欠席する時
「急な顧客対応が入り、○月○日の打ち合わせを欠席させていただきます。改めて日程を調整させていただきたく、後日ご連絡いたします。この度はご迷惑をおかけして申し訳ございません。」
仕事の都合の場合は、代替案の提示も忘れずに行いましょう。
交通機関のトラブルで欠席する時
「電車の運行停止により、本日の会議に間に合いません。申し訳ございませんが、欠席させていただきます。会議の内容について、後日詳細を教えていただけますでしょうか。」
交通機関のトラブルは予測できない事態なので、状況を簡潔に説明しましょう。
冠婚葬祭で欠席する時
「親族の結婚式と重なってしまい、○月○日のセミナーを欠席させていただきます。せっかくのお誘いをいただいたにもかかわらず申し訳ございません。次回の機会にはぜひ参加させていただきたく思います。」
冠婚葬祭は社会的に理解される理由なので、簡潔に伝えれば十分です。
欠席連絡で失敗しないための注意点
欠席の連絡では、いくつかの注意点があります。これらを守ることで、相手との関係性を損なうことなく、適切に欠席を伝えることができます。
やってはいけない欠席連絡の例
以下のような連絡は避けましょう。理由を全く説明しない、連絡が遅すぎる、謝罪の言葉がない、今後の対応に触れないなどです。
これらは相手に不快感を与え、信頼関係を損なう可能性があります。
相手に不快感を与えない伝え方
相手の立場に立って考えることが大切です。忙しい中で時間を空けてくれた相手への配慮を忘れず、丁寧な言葉遣いを心がけましょう。
また、欠席することで相手にかかる負担についても考慮し、可能な限りフォローの提案をすることが重要です。
欠席後のフォローで関係性を保つ方法
欠席後は、必要に応じてフォローアップを行います。会議の内容を確認したり、次回の参加意欲を示したりすることで、関係性の継続を図りましょう。
このような配慮が、長期的な信頼関係の構築につながります。
「欠席させていただきます」以外の敬語表現も覚えておこう
欠席を伝える際は、状況に応じてさまざまな敬語表現を使い分けることができます。表現の幅を広げることで、より適切なコミュニケーションが可能になります。
参加を辞退する時の表現
「参加を辞退させていただきます」「ご招待を辞退させていただきます」「お誘いを辞退させていただきます」などの表現があります。
これらは、招待や依頼を受けた場合に使う丁寧な断り方です。
出席できない時の表現
「出席いたしかねます」「出席することができません」「出席を控えさせていただきます」などの表現も使えます。
相手との関係性や場面の格式に応じて使い分けましょう。
都合がつかない時の表現
「都合がつかず申し訳ございません」「スケジュールが合わず恐縮です」「予定が重なってしまい参加できません」などの表現もあります。
これらは、時間的な制約がある場合に使いやすい表現です。
まとめ:相手への配慮を忘れずに欠席を伝えよう
今回の記事では、「欠席させていただきます」の正しい使い方から具体的な例文まで、幅広く解説しました。以下に要点をまとめます。
- 「欠席させていただきます」は謙譲語と丁寧語を組み合わせた正しい敬語表現
- メールでの連絡は件名から本文まで相手への配慮を最優先に考える
- 欠席の理由は具体的すぎず曖昧すぎない程度に伝える
- 連絡のタイミングは早めが基本、遅くとも3日前には伝える
- お詫びの気持ちと今後の対応についても必ず触れる
- 状況に応じて言い換え表現を使い分けることで表現力が向上する
- 欠席後のフォローアップも関係性維持には重要
適切な欠席の伝え方をマスターすることで、ビジネスシーンでの信頼関係を保ちながら、自分の事情も理解してもらえるはずです。相手の立場に立った配慮ある言葉遣いを心がけて、円滑なコミュニケーションを築いていきましょう。