株式投資を始めるとき、多くの人が気になるのが「配当金」です。毎年決まった時期に受け取れる配当金は、まるで株式からの「お小遣い」のような存在で、投資の魅力の一つでもあります。
でも、どの銘柄を選べば高い配当がもらえるのか、どうやって受け取ればいいのか、税金はどのくらいかかるのか。初めての人にとっては分からないことだらけですよね。
この記事では、2025年最新の配当利回りランキングから、配当金の受け取り方法、税金対策まで、配当投資に必要な情報をすべてお伝えします。投資初心者の方でも理解できるよう、専門用語は分かりやすく説明していきますので、安心して読み進めてください。
株の配当金とは?基本的な仕組みを知ろう
配当金について詳しく見ていく前に、まずは基本的な仕組みを理解しておきましょう。配当金は企業が株主に対して利益を還元する方法の一つで、株式投資の大きな魅力となっています。
配当金の基本的な仕組み
配当金とは、企業が1年間の事業で得た利益の一部を、株主に現金で還元するお金のことです。株式を保有している人なら誰でも、持っている株数に応じて配当金を受け取る権利があります。
例えば、1株あたり50円の配当を出す企業の株を100株持っていれば、年間5,000円の配当金がもらえる計算になります。企業によっては年に2回配当を出すところもあり、その場合は中間配当と期末配当に分けて受け取ることになります。
配当金は企業の業績に大きく左右されます。業績が好調な年は配当が増える「増配」が行われることもあれば、業績が悪化すると配当が減る「減配」や、配当がゼロになる「無配」になることもあります。
配当利回りの計算方法
配当利回りは、投資した金額に対してどのくらいの配当金がもらえるかを示す重要な指標です。計算方法はとてもシンプルで、以下の式で求められます。
配当利回り(%)= 1株あたりの年間配当金 ÷ 株価 × 100
例えば、株価が1,000円で年間配当が40円の銘柄なら、配当利回りは4%となります。この数字が高いほど、投資した金額に対して多くの配当金がもらえることになります。
一般的に、配当利回りが3%を超えると「高配当株」と呼ばれることが多く、4%を超えると相当魅力的な水準とされています。ただし、利回りが高すぎる場合は、株価が大きく下がっているか、一時的な記念配当の可能性もあるので注意が必要です。
配当金がもらえるタイミング
配当金を受け取るためには、「権利確定日」に株式を保有している必要があります。権利確定日は企業によって異なりますが、多くの企業では3月末や9月末に設定されています。
実際に配当金が支払われるのは、権利確定日から2~3ヶ月後です。3月末が権利確定日の企業なら、6月頃に配当金が支払われることが一般的です。
注意したいのは、権利確定日の2営業日前である「権利付き最終日」までに株式を購入する必要があることです。権利確定日当日に買っても、その回の配当金はもらえないので気をつけましょう。
【2025年最新】配当利回りランキングTOP10
2025年7月時点での最新配当利回りランキングをご紹介します。これらの銘柄は、現在の株価と予想配当金をもとに算出した利回りの高い順に並んでいます。
1位:川崎汽船(9107)配当利回り5.92%
川崎汽船は海運業界の大手企業で、2025年7月時点で配当利回り5.92%という高い水準を維持しています。年間配当は1株あたり120円の予想で、最低投資額は約20万円となっています。
海運業界は景気の波に左右されやすい特徴がありますが、川崎汽船は2期連続の増配を実現しており、株主還元に積極的な姿勢を示しています。過去2年間で年間配当は1.4倍に増加しており、投資家からの注目度も高まっています。
2位:タマホーム(1419)配当利回り5.91%
住宅建設大手のタマホームは、配当利回り5.91%で第2位にランクインしています。年間配当は1株あたり195円の予想で、株主優待制度も用意されており、最低投資額は約33万円です。
タマホームの特筆すべき点は、9期連続の増配を実現していることです。年間配当は9年間で19倍に増加しており、安定した配当成長を続けています。住宅業界は金利動向に影響を受けやすいものの、同社の堅実な経営姿勢が高い配当利回りを支えています。
3位:ワキタ(8125)配当利回り5.91%
建設機械のレンタル事業を手がけるワキタは、配当利回り5.91%で第3位です。年間配当は1株あたり100円の予想で、株主優待制度もあり、最低投資額は約17万円と比較的手頃な水準です。
ワキタは4期連続の増配を実現しており、建設業界の好調な需要を背景に安定した業績を維持しています。建設機械レンタル事業は景気に左右されやすい面もありますが、同社の事業基盤の強さが高配当の源泉となっています。
4位:アステラス製薬(4503)配当利回り5.46%
製薬大手のアステラス製薬は、配当利回り5.46%で第4位にランクインしています。年間配当は1株あたり78円の予想で、最低投資額は約14万円です。
アステラス製薬は医薬品業界の中でも特に研究開発に力を入れており、新薬の開発パイプラインが充実しています。製薬業界は比較的安定した収益構造を持っているため、継続的な配当支払いが期待できる銘柄の一つです。
5位:本田技研工業(7267)配当利回り4.77%
世界的な自動車メーカーである本田技研工業は、配当利回り4.77%で第5位です。年間配当は1株あたり70円の予想で、最低投資額は約15万円となっています。
ホンダは電動化への取り組みや新興国市場での成長戦略を積極的に推進しており、グローバル企業としての強固な事業基盤を持っています。自動車業界は変革期を迎えていますが、同社の技術力と経営力が安定した配当の基盤となっています。
6位:王子ホールディングス(3861)配当利回り5.17%
王子ホールディングスは日本最大の製紙会社として、配当利回り5.17%で第6位にランクインしています。累進配当を継続している点が投資家にとって魅力的で、安定した事業基盤を築いています。
製紙業界は成熟した業界ですが、王子ホールディングスは海外展開や新規事業への取り組みを通じて成長を目指しています。2025年4月には配当性向を従来の30%から50%に引き上げる方針を発表し、株主還元への積極的な姿勢を示しています。
7位:AGC(5201)配当利回り4.9%
AGCは旧旭硝子として知られるガラス製造の世界的リーダーで、配当利回り4.9%を維持しています。2025年12月期の予想配当金は1株あたり210円となっています。
建築用ガラスから自動車用ガラス、電子材料まで幅広い分野で事業を展開しており、技術力の高さが競争優位性となっています。安定した収益基盤により、継続的な配当支払いが期待できる銘柄です。
8位:神戸製鋼所(5406)配当利回り4.88%
神戸製鋼所は鉄鋼を中心とした総合素材メーカーで、配当利回り4.88%となっています。2025年3月期の予想配当金は1株あたり80円です。
鉄鋼業界は景気の影響を受けやすい特徴がありますが、神戸製鋼所は多角化戦略により事業の安定化を図っています。配当性向は32.82%と適正な水準を保っており、持続可能な配当政策を実施しています。
9位:いすゞ自動車(7202)配当利回り4.87%
いすゞ自動車は商用車に特化した自動車メーカーとして、配当利回り4.87%で第9位です。3期連続の増配を実現している点が注目されます。
2024年3月期の配当は前期比7円増の1株あたり86円となり、年間配当は3年で2.8倍に増加しています。商用車市場での強いブランド力と技術力が、安定した業績と配当の源泉となっています。
10位:日本製鉄(5401)配当利回り4.13%
日本製鉄は国内鉄鋼業界のリーディングカンパニーで、配当利回り4.13%で第10位にランクインしています。年間配当は1株あたり120円の予想です。
鉄鋼業界は世界的な需要動向に左右されやすい面がありますが、日本製鉄は技術力と規模の優位性を活かして安定した事業運営を行っています。インフラ需要の継続的な存在が、配当の安定性を支えています。
高配当株を選ぶときの5つのポイント
高配当株投資で成功するためには、単純に配当利回りの高さだけを見るのではなく、複数の観点から銘柄を評価することが大切です。ここでは、高配当株を選ぶ際に注意すべき5つのポイントをご紹介します。
配当利回りだけで判断しない
配当利回りが異常に高い銘柄には、必ず理由があります。株価が大幅に下落して一時的に利回りが高くなっているケースや、記念配当により一回限りで高配当になっているケースなどがあります。
配当利回りが6%を超えるような銘柄を見つけたときは、なぜそれほど高い利回りになっているのかを必ず調べましょう。企業の業績動向、株価の推移、配当の継続性などを総合的に判断することが重要です。
また、配当利回りは株価の変動により日々変化します。購入時点での利回りが高くても、その後株価が上昇すれば利回りは下がることも理解しておきましょう。
連続増配の実績をチェック
連続増配とは、毎年配当金を増やし続けている状態のことです。連続増配を続けている企業は、安定した収益力と株主還元への強い意志を持っていると考えられます。
日本企業の中には、花王のように35期連続増配を実現している企業もあります。このような企業は、景気の変動があっても配当を維持・増加させる力があることを証明しています。
連続増配の期間が長いほど、将来的にも配当が継続される可能性が高いと考えられます。投資を検討する際は、過去の配当実績を必ず確認しましょう。
業績の安定性を確認
配当金の原資は企業の利益です。いくら高い配当利回りを誇っていても、企業の業績が不安定では配当の継続性に疑問が生じます。
企業の業績を確認する際は、売上高、営業利益、純利益の推移を過去5年程度さかのぼって確認しましょう。安定して利益を出している企業ほど、配当の継続性が高いと判断できます。
また、企業が属する業界の特性も重要です。景気に左右されやすい業界の企業は、好況時には高配当でも不況時には減配のリスクがあることを理解しておきましょう。
配当性向を見る
配当性向とは、企業が得た純利益のうち、どれだけの割合を配当として株主に還元しているかを示す指標です。配当性向が高すぎる企業は、将来的に配当を維持できなくなるリスクがあります。
一般的に、配当性向は30~50%程度が適正とされています。配当性向が80%を超えるような企業は、業績が少し悪化しただけで減配を余儀なくされる可能性があります。
逆に配当性向が極端に低い企業は、まだ配当を増やす余地があると考えることもできます。企業の成長段階や業界特性を考慮して、適切な配当性向かどうかを判断しましょう。
株主優待との組み合わせ
日本の上場企業の中には、配当金に加えて株主優待制度を設けている企業があります。株主優待は現金ではありませんが、生活に役立つ商品やサービスを提供してくれるため、実質的な利回り向上効果があります。
例えば、年間2,000円相当の株主優待がある企業の株を20万円で購入した場合、優待利回りは1%となります。配当利回り4%と合わせれば、実質利回りは5%になる計算です。
ただし、株主優待は企業の判断でいつでも廃止される可能性があります。株主優待だけを目的とした投資は避け、あくまで配当投資の付加価値として考えることが大切です。
少額から始められる高配当株5選
投資初心者の方や資金に限りがある方でも、少額から高配当株投資を始めることができます。ここでは、10万円以下で購入できる魅力的な高配当株をご紹介します。
10万円以下で買える高配当株
日本たばこ産業(2914)は、配当利回り4.37%で1株あたり194円の配当を予想しています。株価は約4,400円台で推移しており、100株購入するには約44万円必要ですが、1株から購入できる証券会社を利用すれば少額投資も可能です。
ゆうちょ銀行(7182)は配当利回り4.31%で、1株あたり67円の配当を予想しています。株価は1,500円台で推移しており、比較的手頃な価格で購入できます。
ENEOSホールディングス(5020)は配当利回り4.38%で、エネルギー業界の大手企業として安定した事業基盤を持っています。株価は600円台と手頃で、少額投資に適した銘柄の一つです。
第一生命ホールディングス(8750)は配当利回り4.25%で、生命保険業界の安定した収益構造が魅力です。株価は1,100円台で推移しており、金融セクターへの分散投資にも適しています。
ヤマハ発動機(7272)は配当利回り4.50%で、二輪車や船外機で世界的なシェアを持つ企業です。株価は1,100円台で、製造業への投資を検討している方におすすめです。
投資初心者におすすめの理由
これらの銘柄が投資初心者におすすめな理由は、まず知名度が高く事業内容が理解しやすいことです。日本たばこ産業やゆうちょ銀行などは、日常生活でもなじみのある企業なので、事業の動向を把握しやすいでしょう。
また、いずれも大手企業で財務基盤が安定しており、急激な業績悪化のリスクが比較的低いことも初心者向きです。配当利回りも4%台と魅力的な水準を維持しています。
さらに、これらの企業は情報開示が充実しており、決算説明会の資料や中期経営計画なども公開されています。投資判断に必要な情報を入手しやすいのも、初心者にとって大きなメリットです。
リスクを抑えた投資方法
少額投資でリスクを抑えるためには、一つの銘柄に集中投資するのではなく、複数の銘柄に分散投資することが重要です。異なる業界の銘柄を組み合わせることで、特定の業界の不振による影響を軽減できます。
また、一度に大きな金額を投資するのではなく、毎月一定額を投資する「積立投資」も効果的です。株価が高いときは少ない株数を、株価が安いときは多くの株数を購入することで、平均購入価格を抑えることができます。
投資資金は生活に必要な資金とは別に用意し、万が一損失が出ても生活に支障がない範囲で投資することも大切です。高配当株投資は長期投資が基本なので、短期的な株価変動に一喜一憂せず、じっくりと配当収入を積み重ねていく姿勢が重要です。
配当金の受け取り方法3つ
配当金を受け取る方法は複数あり、それぞれにメリット・デメリットがあります。自分の投資スタイルや利便性を考慮して、最適な受け取り方法を選びましょう。
株式数比例配分方式での受け取り
株式数比例配分方式は、証券口座で配当金を受け取る方法です。複数の証券会社に株式を預けている場合は、預けている株式の数に応じて各証券会社の口座で配当金を受け取ります。
この方式の最大のメリットは、受け取った配当金をそのまま次の投資に活用できることです。配当金が証券口座に入金されるため、再投資の手続きが簡単で、複利効果を最大限に活用できます。
また、NISA口座を利用している場合、この方式を選択することで配当金も非課税で受け取ることができます。税制面でのメリットが大きいため、多くの投資家がこの方式を選択しています。
登録配当金受領口座方式での受け取り
登録配当金受領口座方式は、保有する株式の配当金をひとつの銀行口座などで受け取る方法です。複数の証券口座を持っている場合でも、配当金を受け取る口座を1ヶ所に集約できます。
この方式のメリットは、運用資金と配当で得たお金を分けて管理できることです。配当金を生活費の一部として使いたい場合や、配当収入を別の用途に使いたい場合に便利です。
ただし、NISA口座で株式を保有している場合、この方式を選択すると配当金に課税されてしまうので注意が必要です。税制面でのメリットを重視する場合は、株式数比例配分方式を選択することをおすすめします。
配当金領収証での受け取り
配当金領収証方式は、配当金受領証または郵便振替支払通知書が発行され、ゆうちょ銀行などの窓口で配当金を受け取る方法です。受取手続きの手間はかかりますが、その場で現金を受け取れる点がメリットです。
この方式は、銀行口座を持っていない場合や、現金で配当金を受け取りたい場合に利用されます。ただし、窓口に行く手間がかかることや、受け取り期限があることなどのデメリットもあります。
現在では、証券口座や銀行口座での受け取りが主流となっており、この方式を選択する投資家は少なくなっています。利便性を考えると、他の方式を選択することをおすすめします。
配当金にかかる税金と節税対策
配当金には税金がかかりますが、適切な知識を持つことで節税することも可能です。配当金の税制について理解し、効果的な節税対策を実践しましょう。
配当金の税率
配当金には、所得税と住民税が課税されます。現在の税率は、所得税が15.315%(復興特別所得税を含む)、住民税が5%で、合計20.315%となっています。
例えば、年間10万円の配当金を受け取った場合、約2万円の税金が源泉徴収されることになります。この税金は配当金の支払い時に自動的に差し引かれるため、実際に受け取る金額は約8万円となります。
配当金の税金は、給与所得などの他の所得とは分離して計算される「分離課税」が原則です。ただし、確定申告を行うことで「総合課税」を選択することも可能で、場合によっては税負担を軽減できます。
NISA口座を活用した節税
NISA(少額投資非課税制度)を活用することで、配当金を非課税で受け取ることができます。2024年から始まった新しいNISA制度では、年間360万円まで投資でき、配当金も含めて運用益が非課税となります。
NISA口座で配当金を非課税で受け取るためには、「株式数比例配分方式」を選択する必要があります。他の受け取り方式を選択すると、NISA口座で保有していても配当金に課税されてしまうので注意しましょう。
新しいNISA制度では非課税保有期間が無期限となったため、長期間にわたって配当金を非課税で受け取ることができます。高配当株投資を行う場合は、NISA口座の活用を強く推奨します。
確定申告での配当控除
課税所得が695万円以下の場合、確定申告で「総合課税」を選択し、「配当控除」を適用することで税負担を軽減できる可能性があります。配当控除は、配当所得の10%(住民税は2.8%)が税額から控除される制度です。
例えば、配当所得が50万円の場合、所得税では5万円、住民税では1.4万円の配当控除を受けることができます。源泉徴収された税額よりも配当控除額の方が大きい場合は、確定申告により税金の還付を受けることができます。
ただし、配当控除の適用には条件があり、すべての配当金が対象となるわけではありません。また、総合課税を選択すると国民健康保険料などに影響する場合もあるため、事前に税理士などの専門家に相談することをおすすめします。
配当投資で失敗しないための注意点
配当投資は魅力的な投資手法ですが、リスクも存在します。失敗を避けるために知っておくべき注意点を確認しておきましょう。
減配・無配のリスク
企業の業績が悪化すると、配当金が減額される「減配」や、配当金の支払いが停止される「無配」になる可能性があります。特に景気敏感株や業績が不安定な企業では、このリスクが高くなります。
減配や無配が発表されると、株価が大幅に下落することが一般的です。配当収入を期待して投資していた場合、収入の減少と株価下落の両方で大きな損失を被る可能性があります。
このリスクを軽減するためには、企業の財務状況や業績動向を定期的にチェックし、配当の持続可能性を評価することが重要です。配当性向が高すぎる企業や、借入金が多い企業は特に注意が必要です。
株価下落のリスク
高配当株は、株価が下落したことで利回りが高くなっている場合があります。このような銘柄に投資すると、配当金は受け取れても株価の下落により元本が大きく減少する可能性があります。
また、金利上昇局面では、相対的に債券の魅力が高まるため、高配当株から資金が流出し株価が下落することがあります。配当利回りだけでなく、株価の動向にも注意を払う必要があります。
株価下落リスクを軽減するためには、割安な水準で購入することや、業績が安定している企業を選ぶことが重要です。また、長期投資を前提とすることで、短期的な株価変動の影響を軽減できます。
分散投資の重要性
特定の銘柄や業界に集中投資すると、その企業や業界に問題が発生した際に大きな損失を被る可能性があります。配当投資においても、分散投資は非常に重要です。
業界の分散だけでなく、企業規模や地域の分散も考慮しましょう。大型株だけでなく中小型株も組み入れたり、国内株式だけでなく海外株式も検討したりすることで、リスクを分散できます。
また、配当投資だけでなく、成長株投資や債券投資なども組み合わせることで、より安定したポートフォリオを構築できます。投資資金の全額を配当投資に回すのではなく、適切な資産配分を心がけましょう。
株主優待と配当の合計利回りランキング
株主優待制度がある企業では、配当金と株主優待を合わせた「実質利回り」で投資魅力度を測ることができます。優待内容を金額換算して配当利回りに加えることで、真の投資収益率が見えてきます。
実質利回り14%超えの銘柄
一部の企業では、配当利回りと優待利回りを合わせて10%を超える高い実質利回りを実現している銘柄があります。これらの銘柄は、配当金だけでなく株主優待も充実しており、投資家にとって非常に魅力的です。
ただし、実質利回りが異常に高い場合は、株価が大幅に下落している可能性や、一時的な特別配当・特別優待の影響がある可能性があります。持続可能性を慎重に検討することが重要です。
また、株主優待は企業の判断でいつでも変更・廃止される可能性があります。優待内容の変更により実質利回りが大幅に低下するリスクも考慮しておきましょう。
優待内容と配当のバランス
株主優待と配当のバランスが取れている企業は、長期投資に適しています。配当金は現金収入として確実性が高い一方、株主優待は生活に役立つ商品やサービスを提供してくれます。
優待内容が自分の生活スタイルに合っているかどうかも重要な判断基準です。使わない優待品をもらっても意味がないため、自分にとって価値のある優待内容かどうかを確認しましょう。
また、優待を受けるために必要な最低保有株数と、その金額も考慮する必要があります。高額な投資が必要な優待は、実質的な利回りが低くなる場合があります。
長期保有のメリット
多くの企業では、長期保有株主に対して優待内容を優遇する制度を設けています。保有期間が長いほど優待内容が充実したり、特別な優待品がもらえたりする場合があります。
長期保有優遇制度がある企業に投資することで、時間の経過とともに実質利回りが向上していきます。また、長期保有により株価の短期変動リスクも軽減できます。
ただし、長期保有を前提とする場合は、企業の将来性や業界の成長性をより慎重に評価する必要があります。衰退業界の企業を長期保有すると、配当や優待が維持されても株価が大幅に下落する可能性があります。
配当金投資を始める手順
配当金投資を実際に始めるための具体的な手順をご説明します。初心者の方でも迷わずに投資を開始できるよう、ステップバイステップで解説していきます。
証券口座の開設
配当金投資を始めるためには、まず証券会社に口座を開設する必要があります。証券会社選びでは、手数料の安さ、取扱銘柄の豊富さ、投資情報の充実度などを比較検討しましょう。
特に重要なのは、NISA口座の取り扱いがあるかどうかです。配当金を非課税で受け取るためには、NISA口座が必要不可欠です。また、1株から購入できる単元未満株取引ができるかどうかも、少額投資を考えている方には重要なポイントです。
口座開設の手続きは、多くの証券会社でオンラインで完結できます。本人確認書類とマイナンバー確認書類を準備し、申込フォームに必要事項を入力すれば、通常1~2週間程度で口座開設が完了します。
銘柄選びの基準
配当金投資における銘柄選びでは、配当利回りの高さだけでなく、配当の持続可能性を重視することが重要です。過去の配当実績、企業の業績動向、財務状況などを総合的に評価しましょう。
初心者の方は、まず大型株から始めることをおすすめします。大型株は情報が豊富で、業績も比較的安定しているため、リスクを抑えながら配当投資を学ぶことができます。
また、自分がよく知っている業界や企業から始めることも有効です。事業内容が理解できる企業の方が、業績動向や将来性を判断しやすくなります。
投資金額の決め方
配当金投資では、生活に必要な資金とは別に、余裕資金で投資することが基本です。投資金額は、万が一損失が出ても生活に支障がない範囲で設定しましょう。
初心者の方は、まず月収の1~2ヶ月分程度の金額から始めることをおすすめします。投資に慣れてきたら、徐々に投資金額を増やしていけばよいでしょう。
また、一度に大きな金額を投資するのではなく、毎月一定額を投資する積立投資も効果的です。時間分散により、購入価格を平準化できます。
購入タイミング
配当金投資は長期投資が基本なので、短期的な株価変動を気にしすぎる必要はありません。ただし、明らかに株価が高すぎる水準では購入を控え、適正な水準まで下がるのを待つことも重要です。
権利確定日の直前は、配当金目当ての買いが入り株価が上昇することがあります。このタイミングでの購入は避け、権利落ち後の株価下落を狙って購入することも一つの戦略です。
また、決算発表後に業績が予想を下回り株価が下落した際は、優良企業の株を安く購入できるチャンスでもあります。企業の長期的な成長性に問題がなければ、このような機会を活用しましょう。
まとめ
今回の記事では、株の配当金について基本的な仕組みから実践的な投資方法まで、幅広く解説してきました。以下に重要なポイントをまとめます。
- 配当金は企業が株主に利益を還元する仕組みで、配当利回りは投資判断の重要な指標
- 2025年最新の配当利回りランキングでは、川崎汽船やタマホームなどが上位にランクイン
- 高配当株選びでは利回りだけでなく、連続増配実績や業績安定性も重要な判断基準
- 少額投資でも魅力的な高配当株は存在し、分散投資でリスクを抑えることが可能
- 配当金の受け取り方法は複数あり、NISA活用で節税効果も期待できる
- 減配リスクや株価下落リスクを理解し、適切な分散投資を心がけることが重要
- 株主優待と組み合わせることで実質利回りをさらに高めることができる
配当金投資は、正しい知識と適切な銘柄選択により、安定した収入源を築くことができる魅力的な投資手法です。まずは少額から始めて、徐々に投資経験を積んでいくことをおすすめします。
投資は自己責任で行うものですが、この記事でご紹介した内容を参考に、あなたの資産形成に役立てていただければ幸いです。配当金投資の世界で、着実な資産成長を実現していきましょう。