会社に副業がばれる原因とは?マイナンバーで分かる?その仕組みを解説!

副業を始めたいけれど、会社にばれるのが心配。そんな悩みを抱えている人は多いのではないでしょうか。

近年、働き方の多様化により副業を解禁する企業が増えていますが、まだまだ副業禁止の会社も存在します。また、マイナンバー制度が始まって以来「マイナンバーで副業がばれるのでは?」という不安を感じている人も少なくありません。

実際のところ、副業がばれる原因はいくつかあります。しかし、正しい知識を身につけて適切な対策を取れば、リスクを大幅に減らすことができるのです。

この記事では、副業がばれる主な原因から、マイナンバーとの関係、そして具体的な対策方法まで詳しく解説します。安心して副業を続けるために、ぜひ最後まで読んでみてください。

副業がばれる主な原因3つ

副業がばれてしまう原因は、主に以下の3つに分けられます。

  • 住民税の金額変化でばれるパターン
  • SNSや人づてでばれるパターン
  • 確定申告のミスでばれるパターン

それぞれ詳しく見ていきましょう。

住民税の金額変化でばれるパターン

最も多い副業ばれの原因が、住民税の金額変化です。

副業で収入が増えると、前年の所得に基づいて計算される住民税の金額も増加します。多くの会社員は住民税を給与から天引きされる「特別徴収」という方法で納付しているため、経理担当者が住民税の増加に気づく可能性があるのです。

例えば、本業の年収が400万円の人が副業で年間50万円稼いだ場合、住民税は450万円分の所得に対して計算されます。経理担当者が「この人の給与は400万円なのに、なぜ住民税がこんなに高いのだろう?」と疑問に思うことで発覚するケースが多いのです。

特に、副業でアルバイトやパートをしている場合は要注意。給与所得同士の合算となるため、住民税を自分で納付する「普通徴収」を選択することができません。

SNSや人づてでばれるパターン

意外と多いのが、SNSや人づてでばれるケースです。

副業の成果を嬉しくてSNSに投稿したり、同僚との会話でうっかり話してしまったりすることで発覚します。特に、顔写真や本名を公開しているSNSアカウントで副業について発信すると、会社の人に見つかるリスクが高まります。

また、副業先で本業の会社の人と偶然出会ってしまうケースもあります。特に同じ業界や地域で副業をしている場合は、このようなリスクが高くなります。

飲み会などでお酒が入った状態で、つい副業の話をしてしまう人も少なくありません。信頼できる同僚だと思っていても、情報が広まってしまう可能性は常にあります。

確定申告のミスでばれるパターン

確定申告の際の手続きミスも、副業ばれの原因となります。

最も多いのが、住民税の徴収方法を「給与から差引き(特別徴収)」にしてしまうミスです。確定申告書の第二表で「自分で納付(普通徴収)」を選択し忘れると、副業分の住民税も会社経由で徴収されてしまいます。

また、副業の所得が20万円以下で確定申告をしなかった場合でも、住民税の申告は必要です。この手続きを怠ると、後から税務署に指摘されて会社にばれる可能性があります。

さらに、無申告が続いて税務調査が入り、給与の差し押さえに発展するケースもあります。このような事態になると、確実に会社にばれてしまいます。

マイナンバーで副業はばれるの?

マイナンバー制度について多くの人が心配していますが、結論から言うと、マイナンバーが直接的な原因で副業がばれることはありません。

しかし、マイナンバー制度の仕組みを理解しておくことで、より安心して副業を続けることができます。

マイナンバー制度の仕組み

マイナンバーは、日本の住民票を有する全ての人に割り当てられた12桁の個人番号です。

この制度の目的は、社会保障、税、災害対策の分野で行政手続きを効率化することです。各種手続きが簡素化され、公正な税制や社会保障制度の実現を目指しています。

マイナンバーにより、税務署や市区町村などの行政機関が個人の収入や納税状況を把握しやすくなりました。これまでバラバラに管理されていた情報が、一つの番号で紐づけられるようになったのです。

ただし、この情報は行政機関内でのみ共有されるものであり、民間企業に開示されることはありません。

副業情報が会社に流れることはない理由

マイナンバーによって副業がばれない理由は、法律によって厳格に保護されているからです。

法律で禁止されている情報の流用

個人情報保護法により、行政機関が把握した個人の収入情報を第三者に開示することは禁止されています。

デジタル庁の公式サイトでも「マイナンバー制度により副業を行っている事実が新たに判明するものではありません」と明記されています。つまり、行政がマイナンバーを通じて個人の副業を把握したとしても、その情報を会社に通知することはないのです。

また、会社側が行政に対して「この社員は副業をしているか?」と問い合わせても、回答されることはありません。

セキュリティ上の制限

マイナンバーに関連する情報は、プライバシー保護の観点から厳重に管理されています。

情報にアクセスできるのは、法律で定められた特定の行政機関の職員のみです。しかも、業務上必要な範囲でのみアクセスが許可されており、個人的な興味や第三者からの依頼で情報を閲覧することはできません。

万が一、マイナンバー関連の情報が不正に開示された場合には、厳しい罰則が適用されます。このような厳格な管理体制により、個人のプライバシーが守られているのです。

住民税から副業がばれる詳しい仕組み

副業ばれの最大の原因である住民税について、その仕組みを詳しく理解しておきましょう。

特別徴収と普通徴収の違い

住民税の納付方法には、特別徴収と普通徴収の2つがあります。

特別徴収は、会社が従業員の給与から住民税を天引きして、代わりに納付する方法です。多くの会社員がこの方法で住民税を納めており、企業には特別徴収が義務付けられています。

普通徴収は、個人が直接市区町村に住民税を納付する方法です。年4回に分けて納付書で支払うか、口座振替で納付します。

副業がばれないようにするには、副業分の住民税を普通徴収にすることが重要です。ただし、すべての副業で普通徴収を選択できるわけではありません。

給与所得の場合のばれ方

副業でアルバイトやパートをして給与をもらっている場合、住民税を普通徴収にすることはできません。

給与所得は必ず特別徴収となるため、本業と副業の給与を合算した金額で住民税が計算され、その全額が本業の会社に通知されます。

例えば、本業で月収30万円、副業で月収5万円稼いでいる場合、住民税は月収35万円分として計算されます。本業の会社には「この人の住民税は月収35万円分です」という通知が届くため、経理担当者が疑問に思う可能性が高いのです。

このため、給与所得での副業は最もばれやすいパターンと言えます。

事業所得の場合のばれ方

フリーランスとして業務委託を受けたり、個人事業主として活動したりする場合は、事業所得や雑所得として扱われます。

この場合は、確定申告の際に住民税の徴収方法を選択することができます。確定申告書第二表の「住民税に関する事項」で「自分で納付」を選択すれば、副業分の住民税は普通徴収となり、会社にばれるリスクを大幅に減らせます。

ただし、この選択を忘れてしまうと、副業分も含めた住民税が会社に通知されてしまいます。

赤字申告でばれるケース

意外な落とし穴が、副業で赤字になった場合です。

事業所得で赤字が出ると、本業の給与所得と損益通算されて所得税や住民税が減額されます。この結果、本業の給与に対して住民税が異常に安くなり、経理担当者が不審に思う可能性があります。

「なぜこの人の住民税だけこんなに安いのだろう?」と疑問を持たれることで、副業が発覚するケースもあるのです。

副業がばれないための対策方法

副業がばれるリスクを最小限に抑えるための具体的な対策を見ていきましょう。

住民税を自分で納付する方法

最も重要な対策が、副業分の住民税を自分で納付することです。

確定申告書での選択方法

確定申告をする際は、確定申告書第二表の「住民税に関する事項」を必ず確認してください。

ここで「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」という項目があります。「給与から差引き」と「自分で納付」の2つの選択肢があるので、必ず「自分で納付」にチェックを入れましょう。

この選択により、副業分の住民税は普通徴収となり、自宅に納付書が送られてきます。本業の会社には副業分を除いた住民税額のみが通知されるため、ばれるリスクが大幅に減ります。

市区町村への連絡の重要性

確定申告で「自分で納付」を選択しても、市区町村の処理ミスで特別徴収になってしまうケースがあります。

このため、確定申告後に住んでいる市区町村の住民税担当課に電話で確認することをおすすめします。「副業分の住民税を普通徴収にしてほしい」と伝えれば、適切に処理してもらえます。

特に、副業の収入が多い場合や、複数の副業をしている場合は、この確認作業が重要です。

SNSでの情報発信を控える

SNSでの副業に関する発信は、できる限り控えることが賢明です。

匿名アカウントでも特定されるリスク

匿名アカウントを使っていても、投稿内容から身元が特定される可能性があります。

例えば、副業の業種や収入額、働いている時間帯などの情報を組み合わせると、知っている人には誰なのかがわかってしまうことがあります。また、位置情報がオンになっていると、副業先の場所が特定される可能性もあります。

投稿内容で身元がばれる例

  • 副業先の写真や制服姿の写真
  • 具体的な収入額や時給の情報
  • 副業先の店名や会社名がわかる投稿
  • 本業と副業の両方に関する投稿

これらの情報が組み合わさることで、身元が特定されるリスクが高まります。

職場関係者には絶対に話さない

どんなに信頼できる同僚でも、副業のことは話さないのが基本です。

飲み会での注意点

特に注意が必要なのが、飲み会などでお酒が入った場面です。

アルコールが入ると気が緩み、つい副業の話をしてしまいがちです。「最近副業始めたんだ」「週末はバイトしてるんだ」といった何気ない発言から、情報が広まってしまう可能性があります。

信頼できる同僚だと思っていても、その人が他の人に話してしまうリスクは常にあります。また、人事異動などで関係性が変わることもあるため、職場関係者には一切話さないことが安全です。

副業がばれにくい仕事の種類

副業の種類によって、ばれるリスクは大きく異なります。比較的ばれにくい副業を紹介します。

投資系の副業

投資による収入は、比較的ばれにくい副業の代表格です。

株式投資・FX・暗号資産

株式投資、FX、暗号資産などの投資による利益は、多くの場合「雑所得」として扱われます。

年間の利益が20万円以下であれば確定申告は不要ですが、20万円を超える場合は確定申告が必要です。ただし、住民税の徴収方法を「自分で納付」にすることで、会社にばれるリスクを抑えることができます。

また、NISA口座を利用した株式投資であれば、一定額まで非課税となるため、確定申告自体が不要になります。

不動産投資

不動産投資による家賃収入も、適切に処理すればばれにくい副業です。

不動産所得は事業所得と同様に、住民税の徴収方法を選択できます。確定申告の際に「自分で納付」を選択すれば、会社にばれるリスクを抑えられます。

ただし、不動産投資は初期費用が大きく、専門知識も必要なため、十分な準備と勉強が必要です。

ポイ活・アンケートサイト

ポイントサイトやアンケートサイトでの収入は、金額が少額であることが多く、比較的ばれにくい副業です。

年間の収入が20万円以下であれば確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。ただし、金額が少額であることが多いため、住民税への影響も小さく、会社にばれるリスクは低いと言えます。

ブログ・アフィリエイト

ブログやアフィリエイトによる収入も、適切に処理すればばれにくい副業です。

匿名性を保つコツ

ブログやアフィリエイトは匿名で活動できるため、身元がばれにくいというメリットがあります。

ただし、以下の点に注意が必要です。

  • 本名や勤務先がわかる情報を載せない
  • 顔写真や個人が特定できる写真を使わない
  • 本業に関連する専門的な内容は避ける
  • SNSとの連携は慎重に行う

これらの点に注意することで、匿名性を保ちながら副業を続けることができます。

副業がばれてしまった時の対処法

万が一副業がばれてしまった場合の対処法を知っておくことも大切です。

会社との話し合いのポイント

副業がばれた場合は、まず冷静に対応することが重要です。

最初に行うべきは、事実関係の整理です。いつから副業を始めたのか、どのような内容の副業なのか、本業への影響はあったのかなどを明確にしておきましょう。

話し合いの際は、以下の点を伝えることが効果的です。

  • 本業に支障をきたしていないこと
  • 競合他社での副業ではないこと
  • 会社の機密情報を使用していないこと
  • 副業により得たスキルが本業にも活かせること

就業規則の確認方法

副業がばれた際は、改めて就業規則を詳しく確認しましょう。

多くの会社では就業規則で副業について規定していますが、その内容は会社によって異なります。完全に禁止している会社もあれば、許可制や届出制を採用している会社もあります。

就業規則を確認する際は、以下の点に注目してください。

  • 副業が完全に禁止されているか
  • 許可制や届出制になっているか
  • 違反した場合の処分内容
  • 例外的に認められる場合があるか

許可申請の進め方

就業規則で許可制や届出制が採用されている場合は、正式に許可申請を行いましょう。

許可申請の際は、以下の情報を整理して提出することが一般的です。

  • 副業の内容と業種
  • 勤務時間と頻度
  • 想定される収入額
  • 本業への影響がないことの説明

誠実な態度で申請を行えば、許可が下りる可能性も十分にあります。

まとめ

今回の記事では、副業がばれる原因とその対策について詳しく解説しました。以下に重要なポイントをまとめます。

  • 副業がばれる最大の原因は住民税の金額変化
  • マイナンバーが直接的な原因で副業がばれることはない
  • 確定申告で「自分で納付」を選択することが最も重要
  • SNSでの情報発信や職場での会話には十分注意が必要
  • 投資系やブログなどの副業は比較的ばれにくい
  • 万が一ばれた場合は冷静に対応し、就業規則を確認する
  • 許可制の会社では正式に申請することで認められる場合もある

副業は収入アップやスキル向上の貴重な機会です。正しい知識を身につけて適切な対策を取ることで、安心して副業を続けることができます。

特に住民税の処理については、毎年の確定申告で必ず確認するようにしてください。また、副業に関する法律や制度は変更されることもあるため、最新の情報をチェックすることも大切です。