外資系転職を考えているなら、一度は耳にしたことがあるランスタッド。世界最大級の人材会社として有名ですが、実際のところ外資系案件の質はどうなのでしょうか。筆者が実際にランスタッドを利用して転職活動を行った経験をもとに、リアルな評価をお伝えします。結論から言うと、外資系案件の豊富さは本物でしたが、いくつか注意すべきポイントもありました。この記事では、登録から面談、案件紹介まで実際に体験した内容を包み隠さずお話しします。外資系転職を成功させたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
ランスタッドって何?外資系に強いって本当なの?
オランダ発祥の世界最大級人材会社の正体
ランスタッドは1960年にオランダで設立された、世界最大級の人材サービス会社です[1]。現在では世界39ヵ国に拠点を持ち、グローバルな人材ビジネスを展開しています。日本には1980年に進出し、すでに40年以上の実績を積み重ねてきました。
この長い歴史と世界規模のネットワークが、ランスタッドの最大の強みといえるでしょう。特に外資系企業との太いパイプは、他の転職エージェントでは真似できない部分です。オランダという欧州の拠点から始まったこともあり、欧米系企業との関係性は非常に深いものがあります。
日本での実績と他社との違い
日本のランスタッドは、他の転職エージェントとは明らかに異なる特徴を持っています。最も印象的だったのは、社内の雰囲気の自由さです[2]。面接官がアロハシャツを着ていたという体験談もあるほど、従来の日系企業とは一線を画したカルチャーを持っています。
この自由な社風は、外資系企業の文化に近いものがあります。つまり、ランスタッドのコンサルタント自身が外資系の働き方を理解しているということ。これは、外資系転職を目指す求職者にとって大きなメリットといえるでしょう。
外資系案件の豊富さは噂通りなのか
ランスタッドの公開求人の約80%が年収800万円以上のハイクラス案件となっています[1]。これは他の転職エージェントと比較しても非常に高い割合です。特に外資系企業の求人については、一般には公開されていない非公開求人を多数保有しているのが特徴です。
世界39ヵ国のネットワークを活かした海外転職サポートも充実しており、現地採用のポジションや英語を活かした仕事の紹介も積極的に行っています[1]。グローバル企業とのコネクションの強さは、まさに噂通りといえるでしょう。
【体験談】実際にランスタッドに登録してみた
登録から面談までの流れ
ランスタッドへの登録は、公式サイトから簡単に行うことができました。基本的な個人情報と職歴、希望条件を入力するだけで、約10分程度で完了します。登録後、2日以内にコンサルタントから連絡があり、面談の日程調整が始まりました。
面談は対面とオンラインの両方から選択可能で、筆者はオンライン面談を選択しました。面談時間は約1時間で、これまでの経験や転職理由、今後のキャリアプランについて詳しくヒアリングされました。特に印象的だったのは、英語力についての確認が他社よりも詳細だったことです。
コンサルタントの対応レベルはどうだった?
担当してくれたコンサルタントは、外資系企業での勤務経験を持つ方でした。業界の動向や企業文化について非常に詳しく、的確なアドバイスをもらうことができました。特に、外資系企業特有の面接スタイルや評価基準について教えてもらえたのは大きな収穫でした。
ただし、レスポンスの速度については少しバラつきがありました[3]。忙しい時期は返信が遅くなることもあったため、急ぎの案件については事前に伝えておくことをおすすめします。それでも、専門性の高さは他社と比較しても優秀だと感じました。
紹介された案件の質と量
面談後、約1週間で最初の案件紹介がありました。紹介された案件数は5件で、すべて外資系企業のポジションでした。年収レンジは800万円から1200万円と、確かにハイクラス案件が中心でした。
案件の内容も非常に魅力的で、グローバルプロジェクトに携われるポジションや、海外出張の機会が多い役職など、まさに外資系ならではの案件が揃っていました。ただし、案件数自体はそれほど多くないため、選択肢を広げたい場合は他社との併用も検討した方が良いでしょう。
ランスタッドの外資系案件、本物度を検証
紹介された企業名を公開(実名あり)
筆者が実際に紹介された企業の中には、誰もが知る外資系大手企業が含まれていました。具体的には、外資系コンサルティングファーム、グローバルIT企業、欧州系メーカーなどです。これらの企業は、他の転職エージェントではなかなか紹介してもらえない案件でした。
特に印象的だったのは、日本法人の立ち上げメンバーを募集している案件でした。このような希少なポジションを紹介してもらえるのは、ランスタッドのグローバルネットワークの強さを物語っています。企業の知名度や規模を考えると、確実に本物の外資系案件だと判断できました。
年収レンジは期待通りだったか
紹介された案件の年収レンジは、事前の期待を上回るものでした。最も高い案件では年収1500万円のオファーもあり、これは筆者の当時の年収の約2倍に相当しました。ただし、高年収の案件ほど求められるスキルレベルも高く、相応の経験と実績が必要でした。
年収800万円台の案件でも、福利厚生や株式オプション、海外研修制度など、金銭面以外のメリットが充実していました。外資系企業特有の成果主義的な評価制度についても、事前に詳しく説明してもらえたため、入社後のミスマッチを避けることができました。
ポジションの魅力度を正直に評価
紹介されたポジションの魅力度は、総合的に見て非常に高いものでした。特に、グローバルプロジェクトへの参画機会や、本社との直接的なやり取りができる環境は、キャリアアップを目指す人にとって理想的な条件でした。
一方で、すべてのポジションが完璧だったわけではありません。中には、業務内容が想像していたものと異なる案件もありました。しかし、コンサルタントが事前に詳しい説明をしてくれたため、自分に合わない案件は早めに見極めることができました。
他の外資系特化エージェントと比べてどうなの?
JACリクルートメントとの違い
JACリクルートメントと比較すると、ランスタッドの方がよりグローバルな案件に強みがあります[3]。JACは日系企業の海外展開案件も多く扱っていますが、ランスタッドは純粋な外資系企業の案件により特化している印象でした。
また、コンサルタントの国籍も異なります。ランスタッドには外国人コンサルタントも多く在籍しており、英語での面談や履歴書添削も可能です[1]。これは、実際の外資系企業での面接に向けた良い練習になりました。
ロバート・ウォルターズとの比較
ロバート・ウォルターズと比較すると、案件の幅広さではランスタッドに軍配が上がります。ロバート・ウォルターズは金融系に特に強いですが、ランスタッドはIT、コンサル、メーカーなど幅広い業界の案件を保有しています。
ただし、専門性の深さではロバート・ウォルターズの方が上回る場合もあります。特定の業界に絞って転職活動を行う場合は、両社を併用することをおすすめします。
エンワールドとの差別化ポイント
エンワールドと比較した場合、ランスタッドの最大の差別化ポイントは世界規模のネットワークです。エンワールドも外資系に強いエージェントですが、ランスタッドの39ヵ国展開という規模には及びません。
特に、欧州系企業の案件についてはランスタッドが圧倒的に強いと感じました。アメリカ系企業についてはエンワールドも競合しますが、ドイツ、フランス、オランダなどの欧州企業を狙うならランスタッド一択といえるでしょう。
ランスタッドを使って感じたメリット・デメリット
良かった点(意外な発見もあり)
グローバル企業とのパイプの太さ
最も印象的だったのは、他では見つからない希少な案件を紹介してもらえたことです。特に、日本市場への新規参入を検討している欧州企業の案件は、ランスタッドならではのものでした。これらの企業は、まだ日本での知名度は低いものの、本国では業界トップクラスの実力を持つ企業ばかりでした。
また、企業の人事担当者との距離の近さも大きなメリットでした。ランスタッドのコンサルタントを通じて、採用担当者と直接話す機会を設けてもらえたケースもありました。これにより、企業の求める人物像をより詳しく理解することができました。
外国人コンサルタントとの英語面談
外国人コンサルタントとの英語面談は、当初は緊張しましたが、実際の外資系企業での面接に向けた良い練習になりました[1]。英語での自己紹介や志望動機の伝え方について、ネイティブの視点からアドバイスをもらえたのは貴重な経験でした。
履歴書の英語版作成についても、細かい表現まで丁寧にチェックしてもらえました。特に、日本人が間違いやすい英語表現について指摘してもらえたのは、他社では得られないサポートでした。
微妙だった点(正直な感想)
日系企業の案件は少なめ
ランスタッドの弱点として、日系企業の案件が少ないことが挙げられます。外資系企業への転職を強く希望している場合は問題ありませんが、選択肢を広げたい場合は物足りなさを感じるかもしれません。
また、地方の案件についても限定的でした。東京、大阪などの大都市圏の案件が中心で、地方での転職を希望する場合は他社との併用が必要になるでしょう。
レスポンスの速度にバラつき
コンサルタントによってレスポンスの速度に差があることも気になりました[3]。優秀なコンサルタントほど多くの案件を抱えているため、返信が遅くなることがありました。急ぎの案件については、事前に伝えておくことが重要です。
また、面談の予約が取りにくい時期もありました。特に年度末や年度始めなどの繁忙期は、希望する日程で面談を設定するのが困難でした。
こんな人にはランスタッドがおすすめ
英語力に自信がある人
ランスタッドを最大限活用できるのは、やはり英語力に自信がある人です。TOEIC800点以上、または実際のビジネスで英語を使った経験がある人なら、紹介される案件の幅が大きく広がります。
英語面談や英語での履歴書作成サポートも充実しているため、英語力をさらに向上させたい人にとっても良い環境といえるでしょう。逆に、英語に不安がある場合は、まず英語力を向上させてから利用することをおすすめします。
本気で外資系を狙っている人
「なんとなく外資系も見てみたい」という軽い気持ちではなく、本気で外資系企業への転職を考えている人にこそランスタッドは向いています。外資系企業特有の文化や働き方について詳しく教えてもらえるため、入社後のミスマッチを避けることができます。
また、外資系企業での面接対策も充実しています。日系企業とは異なる面接スタイルや評価基準について、実践的なアドバイスをもらえるのは大きなメリットです。
年収アップを重視する人
現在の年収に満足していない人、大幅な年収アップを狙いたい人にもランスタッドはおすすめです。紹介される案件の80%が年収800万円以上という実績が示すように、高年収案件に強みがあります[1]。
ただし、高年収の案件ほど求められるスキルレベルも高くなります。自分の市場価値を正しく把握し、必要なスキルを身につける努力も必要になるでしょう。
ランスタッドを使う前に知っておきたい注意点
登録前の準備で差がつく
ランスタッドを効果的に活用するためには、登録前の準備が重要です。まず、自分のキャリアの棚卸しを行い、これまでの経験やスキルを整理しておきましょう。特に、英語を使った業務経験や海外との関わりがある場合は、具体的なエピソードを準備しておくことが大切です。
また、転職の目的や希望条件を明確にしておくことも重要です。年収、職種、業界、勤務地など、優先順位をつけて整理しておくと、コンサルタントとの面談がスムーズに進みます。
面談で聞かれる質問パターン
ランスタッドの面談では、一般的な転職理由や志望動機に加えて、外資系企業特有の質問もされます。例えば、「なぜ外資系企業で働きたいのか」「グローバルな環境で働く上での不安はないか」「英語でのコミュニケーションに自信はあるか」などです。
これらの質問に対して、具体的な理由や経験を交えて答えられるよう準備しておきましょう。また、逆質問の時間も設けられるため、企業文化や働き方について積極的に質問することをおすすめします。
内定獲得までの期間の目安
ランスタッドを利用した場合の内定獲得までの期間は、平均的に2〜3ヶ月程度です。ただし、これは案件の希少性や求職者のスキルレベルによって大きく変わります。特に高年収のハイクラス案件ほど、選考プロセスが長くなる傾向があります。
また、外資系企業の場合、本社の承認が必要なケースもあり、日系企業よりも時間がかかることがあります。余裕を持ったスケジュールで転職活動を進めることが重要です。
【結論】ランスタッドは外資系転職に使えるのか?
筆者の最終評価とおすすめ度
筆者の最終評価として、ランスタッドは外資系転職において非常に有効なエージェントといえます。特に、グローバル企業とのネットワークの強さや、外資系企業特有の文化への理解度は他社を上回っています。
ただし、万能ではありません。案件数の少なさやレスポンスの遅さなど、改善の余地もあります。それでも、外資系転職を本気で考えているなら、必ず登録すべきエージェントの一つといえるでしょう。
他社と併用すべき理由
ランスタッドだけでなく、他社との併用をおすすめする理由は複数あります。まず、案件数を増やすことで選択肢が広がります。また、複数のコンサルタントからアドバイスをもらうことで、より客観的な市場価値を把握できます。
特に、JACリクルートメントとの併用は効果的です[3]。ランスタッドで純粋な外資系案件を、JACで日系グローバル企業の案件をカバーすることで、幅広い選択肢を確保できます。
登録するなら今がチャンス?
外資系企業の日本市場への関心は高まっており、今後も外資系案件は増加すると予想されます。特に、デジタル化やグローバル化の流れの中で、外資系企業のニーズは拡大しています。
早めに登録してコンサルタントとの関係を築いておくことで、良い案件が出た際に優先的に紹介してもらえる可能性が高まります。転職を考え始めたタイミングで、まずは登録してみることをおすすめします。
まとめ
ランスタッドは外資系転職において確実に価値のあるエージェントです。世界39ヵ国のネットワークを活かした希少な案件や、外資系企業特有の文化への深い理解は他社では得られないメリットといえます。年収800万円以上の案件が80%を占めるという実績も、ハイクラス転職を目指す人には魅力的でしょう。ただし、案件数の限定性やレスポンスの課題もあるため、他社との併用が効果的です。外資系転職を本気で考えているなら、まずは登録して実際のサービスを体験してみることをおすすめします。