「はしごする」という言葉を聞いたことはありませんか。飲み会の席で「今度はしごしよう」と言われたり、友達が「お店をはしごした」と話していたり。
でも、なんとなく意味は分かるけれど、正確にはどういう意味なのか、どんな場面で使うのか、はっきりしない人も多いのではないでしょうか。
この記事では、「はしごする」の基本的な意味から具体的な使い方、類語まで、誰でも理解できるようにやさしく解説します。日常会話でよく使われる表現だからこそ、しっかりと覚えておきたいですね。
読み終わる頃には、「はしごする」を自然に使いこなせるようになっているはずです。
「はしごする」の基本的な意味
「はしごする」とは、同じ種類のお店に続けて何軒も行くことを意味します。もともとは「はしご酒」という言葉から生まれた表現で、現在では飲食店以外のお店でも広く使われるようになりました。
辞書的な定義
「はしごする」は俗語として分類される言葉です。漢字で書くと「梯子する」となりますが、一般的にはひらがな表記で使われることが多いです。
この言葉の特徴は、同じ種類のお店を連続して訪れるという点にあります。たとえば、コンビニからコンビニへ、本屋から本屋へと移動する場合に使います。
語源と由来
「はしごする」の語源は「はしご酒(梯子酒)」にあります。はしご酒とは、飲食店を変えながら何軒も飲み歩くことを指す言葉でした。
まるで梯子を勢いよく登っていくように、複数の店で飲食を楽しむ様子を表現したのが始まりです。この「梯子を登る」という動作のイメージが、お店から店へと移動する行為に重ねられたのですね。
現代での使われ方の変化
現在では「はしご酒」と言わずに「居酒屋をはしごする」という人も増えています。つまり、名詞の「はしご」ではなく、動詞的に「はしごする」として使われるようになったということです。
また、飲食店に限らず、コンビニ、本屋、洋服店など、あらゆる種類のお店で使われるようになりました。
「はしごする」が使われる場面5選
「はしごする」という表現は、私たちの日常生活のさまざまな場面で使われています。どんなときに使うのか、具体的な場面を見ていきましょう。
1. 飲み会・居酒屋での「はしご酒」
最も代表的な使い方が、飲み会での「はしご酒」です。一次会が終わった後、別の居酒屋やバーに移動して続きを楽しむときに使います。
「一次会が終わったけど、まだ時間があるから、もう一軒はしごしようか」という風に使われます。このエリアは居酒屋がたくさんあるから、はしごするにはぴったりという場面でもよく聞きますね。
2. ショッピングでの店舗巡り
お目当ての商品を探すために、同じ系統のお店を何軒も回ることがあります。「SNSで人気のパンを買うために、コンビニを5軒はしごした」というような使い方です。
特に限定商品や人気商品を探すとき、一軒で見つからなければ次の店、また次の店と移動することがありますよね。
3. カフェ・レストラン巡り
休日の楽しみとして、いくつかのカフェを訪れることも「はしご」と表現されます。「友達とおしゃれなカフェをはしごして、新作スイーツを楽しんだ」という使い方ですね。
「休日はお気に入りのカフェを3軒はしごするのが私の楽しみなんだ」というように、趣味として楽しむ人も多いです。
4. 病院や用事での移動
実用的な場面でも使われます。「今日は朝から病院をはしごして、内科と歯科の診察を受けた」というように、複数の用事を効率よく済ませるときにも使えます。
5. イベントや観光地での巡回
観光地やイベント会場で、複数のスポットを回るときにも使われることがあります。同じテーマの場所を次々と訪れる場合に「はしごする」と表現できます。
「はしごする」の具体的な例文10選
実際の会話や文章で「はしごする」がどのように使われるのか、具体的な例文を見てみましょう。日常的によく使われるパターンを中心に紹介します。
日常会話でよく使われる例文
まずは、普段の会話でよく耳にする例文から見ていきます。
飲食店での例文
「昨日は、居酒屋を3軒もはしごしたの」。これは飲み会の翌日によく聞く表現ですね。何軒も回ったことを表現するときに使います。
「パン屋さんをはしごするのが私のマイブームだ」。趣味として楽しんでいることを表現する場合の使い方です。
買い物での例文
「本屋さんをはしごしたのに、欲しい参考書が買えなかった」。目的の商品が見つからず、複数の店を回った場合の表現です。
「お父さんはケーキ屋さんを何軒もはしごして、私の好きなケーキを見つけてきた」。家族のために努力してくれた様子を表現するときにも使えます。
用事での例文
「お母さんったら目玉商品を買うために、何軒もスーパーをはしごする」。お得な商品を求めて複数の店を回る様子を表現しています。
SNSや文章で使える例文
文章で使う場合の例文も見てみましょう。
「スーパーをどれだけはしごしてもおやつカルパスが全く見当たらない」。商品が品薄で見つからない状況を表現しています。
「優待券を期限内に使い切るため、自転車で各店をはしごする」。計画的に複数の店を回る場合の使い方です。
「うまい棒を買い占めるためにコンビニをハシゴする」。特定の目的を持って店を回る場合の表現です。
「スーパーを何軒もはしごして価格調査する」。比較検討のために複数の店を回る場合に使えます。
「はしごしよう」と決めて移動する人もいれば、「はしごせざるを得ない」状況になる人もいます。
「はしごする」の類語・言い換え表現
「はしごする」と似た意味を持つ言葉や、場面に応じた言い換え表現を知っておくと、より豊かな表現ができるようになります。
似た意味の言葉
「はしごする」の基本的な類語として、以下のような表現があります。
「お店を渡り歩く」は最も近い意味の表現です。複数の店を順番に訪れる様子を表現できます。
「続けて移動する」も同様の意味で使えます。一つの場所から次の場所へと連続して移動することを表現しています。
「次のお店へ行く」は、より簡潔な表現として使えます。
場面別の言い換え表現
飲み会の場面では「店を移る」「店を変えて飲みなおす」「何件も渡り歩く」という表現が使えます。
ショッピングの場面では「複数の店を回る」「店舗巡りをする」という表現が自然です。
観光の場面では「スポット巡りをする」「名所を回る」という表現も使えるでしょう。
より丁寧な表現
ビジネスシーンや目上の人との会話では、「複数の店舗を訪問する」「何軒かのお店を回らせていただく」という丁寧な表現を使うとよいでしょう。
「お店を何軒か見て回る」という表現も、より上品な印象を与えます。
「はしごする」を使うときの注意点
「はしごする」は便利な表現ですが、使う場面や相手によっては注意が必要です。適切に使うためのポイントを確認しておきましょう。
適切な使用場面
「はしごする」は同じ種類のお店を連続して訪れる場合に使うのが基本です。コンビニからコンビニ、本屋から本屋というように、同じカテゴリーの店を回るときに使います。
また、カジュアルな会話や親しい間柄での使用が適しています。友達同士の会話やSNSでの投稿などで自然に使えます。
避けたほうがよい場面
ビジネスシーンや正式な場面では、「はしごする」という表現は避けたほうが無難です。俗語的な表現のため、フォーマルな場面には適していません。
また、異なる種類のお店を回る場合には使わないほうがよいでしょう。「マックとすき家をはしごする」という使い方は、厳密には正しくありません。
相手に伝わりやすい使い方のコツ
「はしごする」を使うときは、具体的な店名や店の種類を一緒に言うと伝わりやすくなります。「コンビニをはしごした」「居酒屋をはしごしよう」というように使いましょう。
また、何軒回ったかを数字で表現すると、より具体的で分かりやすくなります。「3軒はしごした」「5軒もはしごした」という使い方ですね。
「はしごする」の関連語彙
「はしごする」を理解するために、関連する言葉についても知っておきましょう。それぞれの違いや使い分けを覚えると、より正確に使えるようになります。
「はしご酒」の詳しい意味
「はしご酒」は「はしごする」の語源となった言葉です。何軒もの居酒屋やバーを飲み歩くことを指します。
漢字では「梯子酒」と書き、梯子を登るように次々とお店を移動する様子を表現しています。現在でも飲み会の場面でよく使われる表現です。
「渡り歩く」との違い
「渡り歩く」は「はしごする」と似ていますが、少し意味が異なります。「渡り歩く」は必ずしも同じ種類の場所でなくてもよく、より広い範囲での移動を表現できます。
また、「渡り歩く」のほうがより長期間にわたる移動を表現する場合に使われることが多いです。
地域による表現の違い
「はしごする」は全国的に使われる表現ですが、地域によっては独特の表現もあります。関西では「飲み歩く」という表現がよく使われ、九州では「回る」という簡潔な表現を使う場合もあります。
ただし、「はしごする」は標準的な表現として、どの地域でも通じる言葉です。
まとめ
今回の記事では「はしごする」という言葉について、基本的な意味から具体的な使い方まで詳しく解説しました。以下に要点をまとめます。
- 「はしごする」は同じ種類のお店に続けて何軒も行くことを意味する
- 語源は「はしご酒」という言葉から来ている
- 飲食店だけでなく、あらゆる種類のお店で使える表現
- 日常会話やSNSでよく使われるカジュアルな表現
- ビジネスシーンでは避けて、より丁寧な表現を使う
- 類語として「渡り歩く」「店を移る」などがある
- 具体的な店名や軒数を一緒に言うと伝わりやすい
「はしごする」は私たちの日常生活でとても身近な表現です。正しい意味と使い方を理解して、自然に使いこなせるようになりましょう。
友達との会話やSNSでの投稿で、ぜひ使ってみてくださいね。きっと会話がより豊かで楽しいものになるはずです。