発送をもってかえさせていただきますとは?意味・使う場面・例文をわかりやすく解説

懸賞やプレゼント企画でよく見かける「発送をもってかえさせていただきます」という表現。この言葉を目にしたとき、どんな意味なのか疑問に思ったことはありませんか。

実はこの表現には、企業側と応募者側の両方にとってメリットがある仕組みが隠されています。当選者の発表方法として広く使われているこの言葉の意味を理解すれば、懸賞応募がもっと楽しくなるはずです。

今回は「発送をもってかえさせていただきます」の意味から使用場面、具体的な例文まで詳しく解説していきます。この記事を読めば、懸賞応募時の不安や疑問がきっと解消されるでしょう。

「発送をもってかえさせていただきます」の基本的な意味

「発送をもってかえさせていただきます」とは、当選者の発表を商品の発送で代用するという意味です。つまり、当選した人にも外れた人にも個別に結果を連絡せず、商品が届いた時点で当選がわかる仕組みを表しています。

この表現を分解してみると、より理解しやすくなります。「発送をもって」は「発送することで発表したことにする」という意味で、テレビや雑誌、ポスターなどで当選者名を公表しないことを示しています。

また「かえさせていただきます」の「かえる」は「代える」という漢字で、「代わりの方法で行う」「代用する」という意味になります。別の表現だと「代用する」という動詞と同じ意味です。

従来の発表方法との違い

従来の懸賞では、テレビ番組内での発表や雑誌への当選者名掲載が一般的でした。しかし現在では、個人情報保護の観点から、このような公開発表は減少傾向にあります。

「発送をもって代える」方式は、プライバシーを守りながら効率的に当選者に商品を届ける現代的な手法といえるでしょう。

この表現が使われる具体的な場面

「発送をもってかえさせていただきます」が使用される場面は多岐にわたります。主な使用場面を見ていきましょう。

懸賞・プレゼント企画

企業が実施する商品プレゼントキャンペーンで最も多く使用されます。テレビ番組の視聴者プレゼントや雑誌の読者プレゼント、商品購入者向けの抽選キャンペーンなどが代表例です。

応募者全員に当選結果を個別連絡する手間とコストを省くために採用される方法で、特に応募者数が多い大規模キャンペーンでよく見られます。

アンケート回答者への謝礼

雑誌の読者アンケートや商品モニター募集などで、回答者への謝礼品発送時に使われることがあります。アンケート協力への感謝の気持ちを込めた小さなプレゼントでも、この方式が採用されるケースが増えています。

限定商品の抽選販売

数量限定商品の抽選販売において、当選者への商品発送が結果発表を兼ねる場合に使用されます。人気商品の抽選販売では、この方式により効率的な販売が実現されています。

SNSキャンペーン

最近では、TwitterやInstagramなどのSNSを活用したプレゼントキャンペーンでも使用されています。フォロー&リツイートキャンペーンなどで、当選者への直接メッセージではなく、商品発送で当選を知らせる方式が増えています。

企業がこの方式を採用する理由

企業が「発送をもって代える」方式を採用する背景には、いくつかの明確な理由があります。

1. コスト削減

コスト削減が最大の理由です。応募者全員に当選・落選の連絡をするには、郵送費や人件費が大きくかかります。特に応募者数が多い場合、個別連絡のコストは企業にとって大きな負担となります。

例えば、1万人の応募者がいる懸賞で、全員にハガキで結果を送る場合、郵送費だけで数十万円の費用が発生します。これに印刷費や人件費を加えると、相当な金額になってしまいます。

2. プライバシー保護

プライバシー保護の観点も重要な要因です。当選者の名前や住所を公表せずに済むため、個人情報の取り扱いリスクを軽減できます。

現在では個人情報保護法の厳格化により、企業は個人情報の取り扱いにより慎重になっています。公開発表を避けることで、情報漏洩のリスクを最小限に抑えられます。

3. 事務処理の簡素化

事務処理の簡素化により、キャンペーン運営がスムーズになります。当選者への商品発送作業のみに集中できるため、効率的な運営が可能です。

複雑な発表手続きを省略することで、企業は本来の業務により多くの時間を割くことができます。

4. トラブル回避

当選者名の公表によるトラブルを避けられることも大きなメリットです。名前の読み間違いや住所の誤記載などによるクレームを防げます。

応募者側のメリット・デメリット

この方式は応募者にとってもメリットとデメリットの両面があります。

メリット

当選した場合の手軽さが最大のメリットです。商品が直接届くため、受け取り手続きが不要で、当選通知を装った詐欺メールなどのリスクもありません。

プライバシーの保護も重要なポイントです。個人情報が公表されないため、安心して応募できます。特に高額商品の懸賞では、当選者が特定されることによる様々なリスクを避けられます。

シンプルな仕組みにより、応募から受け取りまでの流れがわかりやすいことも利点といえるでしょう。

デメリット

結果がわからない不安が最大のデメリットです。落選した場合、結果がわからないため諦めがつきにくく、いつまで待てばよいのか判断に迷います。

発送遅延との区別が困難なことも問題です。商品が届かない場合、落選なのか発送遅延なのか判断できず、もやもやした気持ちが続きます。

当選確率の不透明さにより、実際にどの程度の確率で当選するのかわからないことも、応募者にとっては不安要素となります。

類似表現と言い換え

「発送をもってかえさせていただきます」には、いくつかの類似表現があります。

よく使われる表現

「商品の発送をもって発表に代えさせていただきます」は最も一般的な表現です。「かえ」の部分を明確に「代え」と表記することで、より理解しやすくなっています。

「発送をもって代えさせていただきます」は「かえ」の部分を省略した短縮形です。簡潔な表現として、スペースが限られた場面でよく使用されます。

「賞品のお届けをもって当選発表とさせていただきます」は、より丁寧で分かりやすい表現として使われることがあります。「発送」ではなく「お届け」という柔らかい表現を使用しています。

現代的な表現

最近では、より親しみやすい表現も増えています。「当選者の方には直接商品をお送りします」「当選された方のみに商品をお届けします」といった、わかりやすい日本語での表現も見られるようになりました。

これらの表現は、従来の定型文よりも読者に優しく、理解しやすいという特徴があります。

実際の使用例文

実際の懸賞やキャンペーンでは、どのような文章で使用されているのでしょうか。具体例を見てみましょう。

懸賞応募要項での例文

「厳正なる抽選の結果、当選者の発表は賞品の発送をもってかえさせていただきます。電話やメールでの当選結果のお問い合わせにはお答えできませんので、ご了承ください」

この例文では、抽選の公正性を強調しつつ、問い合わせ対応についても明記されています。

キャンペーン告知での例文

「プレゼント当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。発送は○月○日頃を予定しております」

発送時期の目安を併記することで、応募者の不安を軽減する配慮が見られます。

雑誌の読者プレゼントでの例文

「締め切りは○月○日です。当選者の発表は、発送をもって代えさせていただきます」

シンプルで分かりやすい表現により、読者にとって理解しやすい文章となっています。

SNSキャンペーンでの例文

「フォロー&リツイートありがとうございます!当選者の発表は商品のお届けをもって代えさせていただきます。たくさんのご応募お待ちしています♪」

SNSらしい親しみやすいトーンで、従来の硬い表現を柔らかくアレンジした例です。

応募する際の注意点

「発送をもって代える」方式の懸賞に応募する際は、いくつかの点に注意が必要です。

住所の正確な記入

住所の記入ミスは当選しても商品が届かない原因となります。応募時は住所を正確に記入し、郵便番号から建物名、部屋番号まで漏れなく記載しましょう。

特に集合住宅の場合、建物名や部屋番号の記載がないと配達されない可能性があります。引っ越し予定がある場合は、新住所での応募を検討することも大切です。

発送時期の確認

発送時期の確認をしておきましょう。多くの場合、応募要項に「○月頃発送予定」といった目安が記載されています。この時期を過ぎても商品が届かない場合は、落選と判断できます。

発送時期が明記されていない場合は、一般的に締切から1〜3ヶ月程度を目安として考えておくとよいでしょう。

問い合わせ対応の理解

問い合わせ対応について理解しておくことも大切です。多くの企業では当選結果に関する個別の問い合わせには応じていません。

これは公平性を保つためと、事務処理の効率化のためです。問い合わせをしても回答が得られないことを理解して応募しましょう。

個人情報の取り扱い

応募時に提供した個人情報は、抽選と発送のみに使用され、その後適切に廃棄されることが一般的です。しかし、企業によって取り扱い方針が異なるため、プライバシーポリシーを確認することをおすすめします。

よくある疑問と回答

「発送をもって代える」方式について、よくある疑問にお答えします。

本当に抽選は行われているの?

この疑問を持つ人は少なくありません。実際に、過去には不正な抽選を行った企業が消費者庁から措置命令を受けた事例もあります。

しかし、大部分の企業は適切に抽選を実施しています。企業にとって信頼失墜のリスクは大きく、不正を行うメリットはほとんどありません。

どのくらい待てばよいの?

一般的には、締切から1〜3ヶ月程度が目安です。ただし、商品の種類や企業の事情により異なるため、応募要項に記載された発送時期を参考にしましょう。

大型商品や食品の場合は、受取日時の確認連絡が入ることもあります。

落選通知は本当に来ないの?

基本的に落選通知は送られません。これがこの方式の特徴であり、コスト削減の理由でもあります。

ただし、一部の企業では「応募ありがとうございました」といった感謝のメールを送ることもあります。

まとめ

今回の記事では「発送をもってかえさせていただきます」という表現について詳しく解説しました。以下に要点をまとめます。

  • この表現は当選者発表を商品発送で代用することを意味する
  • 企業のコスト削減とプライバシー保護が主な採用理由
  • 懸賞やプレゼント企画で広く使用されている定型表現
  • 応募者にとってはメリットとデメリットの両面がある
  • 住所の正確な記入と発送時期の確認が重要
  • 落選通知は基本的に送られない仕組み
  • 類似表現も複数存在し、現代的な表現も増えている

「発送をもってかえさせていただきます」は、現代の懸賞システムにおいて企業と応募者双方にメリットがある効率的な仕組みです。この表現を見かけた際は、商品が届くまで結果がわからないシステムであることを理解して、気長に待つ気持ちで応募してみてくださいね。

懸賞応募がより楽しく、安心してできるよう、この記事の情報を活用していただければと思います。